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【技術情報】3Dプリンター部品について

Muthos Homuraです。
今回は技術紹介となります。

最近では家を3Dプリンターで作るといったニュースもあり、非常に身近な技術となってきました。
ナイキのシューズ底面が3Dプリントで量産されるなど、これまでの試作形状を成形させれば満足といった
用途から数段階も技術向上と低価格化が進んでおります。
また、3Dプリンターにも様々な製法・装置があり、高価なものではチタンや超硬といった難加工材の
粉末を焼き固める製法の3Dプリンターも実用化されております。(装置は数千万円ですが)

Muthos Homuraでは他社に先駆けて4年前から3Dプリンターに取り組んでおり、主には試作形状確認
などに用いて参りました。その後、2024年現在で業務用・一般用併せて5台を保有するまでに至り、
3Dプリントに関する技術資格(3Dプリンタ活用技術検定)も保有しております。
既に発売しておりますProminence MH-001のヒルトオプションや来月発売予定の槌起模様替えハンドルも
本3Dプリンターを用いて1個生産を行える体制を構築しております。

一般向け3Dプリンターの大半は溶かした樹脂を積み上げる【熱溶解積層(FDM)】であり、安価なものでは
1万円台から入手可能になっております。熱溶解については装置が安価で構造も単純である反面、デメリットも多く
・精度が悪く粗い
・材料費が非常に安価(1gあたり2~5円程度)
・積層物のため強度がない(脆い)
・複雑形状が苦手
といった弱点があり、Muthos Homuraの考える提供品質に満たないため部品製造には用いることができません。

3Dプリンター技術に特化したMuthos Homuraでは、部品制作においては【液層光造形(SLA)】の業務用
専用機で3Dプリントおこなうことで皆様に安心いただける部品を提供させていただいております。

液層光造形のメリット
・精度に優れる
・選択する液体によっては高強度部品の製造も可能
・複雑形状も得意

液層光造形のデメリット
・装置が高額
・原料の液体と消耗品が高価(弊社使用FRP含有液は1gあたり40円程度とFDMの材料に比べ約20倍します)
・後工程が煩雑(洗浄、二次硬化処理、バリスリ処理など)
・技術的な知見が必要な場合がある(サポート設置方法など)

特に今回素材として用いておりますFRP(ガラス繊維強化プラスティック)液体は強度面と変形しにくさには
優れる一方で非常に高価な材料となっております。
(ヒルトオプション自体は小さいですが高額となってしまう理由となります)

他社では採用していないような妥協なき部品提供をおこなうことこそがお客様にとっての幸せだと
考えておりますので、今後の商品展開含めましてご期待とご安心戴けたら幸いです。

また、常に最新の技術を探りつつ、古き伝統もリスペクトして参りたいと考えておりますので
引き続き応援宜しくお願いいたします。

 

Muthos Homura

 

FRP含有の液体にレーザー照射して替えハンドルを制作初期(20% 約2時間後)

 

 

FRP含有の液体にレーザー照射して替えハンドルを制作途中(50% 約5時間後)

 

 

FRP含有の液体にレーザー照射して替えハンドルを制作完(100% 約10時間後)

 

 

Muthos Homura所有の業務用光造形プリンター